総合的な学習の時間は、児童・生徒の探究的な学習を支援する重要な機会です。
しかし、効果的な指導案の作成に悩む先生方は少なくありません。
この記事では、総合的な学習の時間における指導案の作成方法から、実践例まで詳しく解説していきます。
本記事を読めば、探究的な学習を促す効果的な指導案を作成するためのポイントがわかり、明日からの授業づくりに活かせるようになります。
ベテラン教師の経験と、文部科学省の学習指導要領に基づいた具体的なアドバイスをお届けします！
〈プロフィール〉
・小学校教員、保育士、家庭教師、塾、学童など様々な学校現場を経験。
・現在はその経験を活かして教育記事を執筆中。
・ブログで月収70万以上を１年以上キープ。
現在は手堅く収入を得つつ、非常勤講師として子どもと関わっている。
総合的な学習の時間における指導案の基本
指導案に必要な要素と構成
総合的な学習の時間の指導案には、単元名、目標、評価規準、指導計画が必要不可欠です。
特に単元目標の設定では、育成を目指す資質・能力を明確にすることが重要です。
また、探究的な学習の過程を意識した展開を計画することで、より効果的な学習活動が実現できます。
指導案の作成時には、児童・生徒の実態や地域の特性を十分に考慮することが大切です。
さらに、他教科等との関連性を考慮し、教科横断的な視点を取り入れることで学びの深まりが期待できます。
学習指導要領との整合性
総合的な学習の時間は、学習指導要領で示された目標や内容を踏まえて計画する必要があります。
探究的な見方・考え方を働かせ、横断的・総合的な学習を行うことで、よりよく課題を解決する資質・能力を育成します。
特に、知識及び技能の習得、思考力・判断力・表現力等の育成、学びに向かう力・人間性等の涵養を意識した指導計画が求められます。
また、各学校の教育目標や児童・生徒の実態に応じて、創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開することが重要です。
指導要領の内容を踏まえつつ、地域や学校の特色を活かした独自の取り組みを計画することで、より効果的な学習が実現できます。
評価の観点と方法
総合的な学習の時間における評価は、観点別学習状況の評価を基本とします。
知識・技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度の3観点から、児童・生徒の成長を多面的に評価します。
評価方法としては、ポートフォリオ評価、パフォーマンス評価、自己評価・相互評価などを組み合わせて活用します。
特に、探究的な学習のプロセスにおける児童・生徒の変容を丁寧に見取ることが重要です。
また、評価規準は具体的な児童・生徒の姿として設定し、指導と評価の一体化を図ることが大切です。
効果的な指導計画の立て方
単元計画の作成手順
効果的な単元計画を作成するためには、まず児童・生徒の興味・関心や地域の実態を把握することから始めます。
年間指導計画との整合性を確認しながら、単元の目標や内容を具体化していきます。
特に、探究的な学習のプロセスである課題設定、情報収集、整理・分析、まとめ・表現の各段階を意識した計画が重要です。
また、学習活動の時間配分や教材・教具の準備など、具体的な実施計画も併せて検討します。
さらに、家庭や地域との連携を視野に入れた活動計画を立てることで、より充実した学習が期待できます。
探究的な学習活動のデザイン
探究的な学習活動をデザインする際は、児童・生徒が主体的に課題を設定できるよう工夫することが重要です。
問題解決的な学習を通じて、思考力・判断力・表現力等を育成することを意識します。
特に、個人やグループでの調査活動、体験活動、まとめ・発表活動などをバランスよく組み込むことが大切です。
また、ICTの活用や外部講師との連携など、多様な学習リソースを活用することで学習効果を高めることができます。
さらに、学習の過程で生まれる疑問や気づきを大切にし、探究活動を深化させる支援を計画します。
ICTの効果的な活用方法
総合的な学習の時間におけるICT活用は、情報収集や表現活動を充実させる重要なツールです。
タブレット端末やプレゼンテーションソフトを活用し、児童・生徒の探究活動をサポートします。
特に、オンラインでの情報検索やデータの整理・分析、プレゼンテーション資料の作成などに効果的です。
また、遠隔地との交流学習やオンラインでの専門家へのインタビューなど、ICTならではの学習活動も計画できます。
さらに、学習成果をデジタルポートフォリオとして蓄積することで、評価活動にも活用できます。
実践的な指導のポイント
効果的な導入の工夫
学習の導入では、児童・生徒の興味・関心を引き出し、主体的な学習意欲を喚起することが重要です。
身近な話題や実生活との関連を意識した課題提示により、学習への動機づけを図ります。
特に、体験的な活動や問題提起を通じて、児童・生徒自身が課題を見出せるような工夫が効果的です。
また、既習事項や生活経験との関連を意識させることで、学習の見通しを持たせることができます。
さらに、グループ活動や話し合い活動を取り入れることで、多様な視点からの課題設定が可能になります。
個に応じた支援の方法
総合的な学習の時間では、児童・生徒一人一人の興味・関心や学習進度に応じた支援が必要です。
学習課題の設定や情報収集の方法について、個別のアドバイスや助言を行います。
特に、つまずきが見られる児童・生徒には、具体的な手立てや参考資料を提供するなどの支援が効果的です。
また、得意分野を活かした役割分担や、相互に学び合える場面を設定することで、個々の力を伸ばすことができます。
さらに、学習の過程で生まれる疑問や気づきを大切にし、個々の探究活動を深化させる支援を行います。
発表活動の充実
探究活動の成果を効果的に発表させることは、学びの深化と定着につながる重要な機会です。
ポスターセッション、プレゼンテーション、レポート作成など、多様な表現方法を取り入れます。
特に、聞き手を意識した分かりやすい発表や、質疑応答を通じた学びの深化を促します。
また、相互評価や振り返り活動を通じて、新たな課題や気づきを見出せるよう支援します。
さらに、学習成果を地域や保護者に向けて発信する機会を設けることで、より実践的な学びとなります。
まとめ
総合的な学習の時間の指導案作成には、様々な要素と工夫が必要です。
児童・生徒の主体的な学びを支援し、探究的な学習を促進する指導計画を立てることが重要です。
特に、学習指導要領の目標を踏まえつつ、地域や学校の特色を活かした独自の取り組みを計画することが大切です。
また、ICTの活用や個に応じた支援、効果的な評価方法の工夫など、様々な観点からの検討が必要です。
本記事で紹介した指導案作成のポイントを参考に、より充実した総合的な学習の時間の実現を目指していきましょう！
