算数の授業づくりで最も重要なのが、充実した指導案の作成です。
効果的な指導案があれば、児童の学習意欲を高め、確かな学力を育むことができます。
しかし、多くの先生方が指導案の作成に悩みを抱えているのが現状です。
本記事では、算数の指導案作成において押さえるべきポイントから、実践的なテンプレート、さらには単元別の具体例まで詳しく解説します。
これから紹介する内容を参考にすれば、明日からすぐに活用できる質の高い指導案を作成することができます。
〈プロフィール〉
・小学校教員、保育士、家庭教師、塾、学童など様々な学校現場を経験。
・現在はその経験を活かして教育記事を執筆中。
・ブログで月収70万以上を1年以上キープ。
現在は手堅く収入を得つつ、非常勤講師として子どもと関わっている。

算数の指導案作成の基本的な考え方
指導案に必要な要素とは

算数科の指導案には、単元名、本時の目標、評価規準、指導過程など、必要不可欠な要素が存在します。
特に重要なのが、児童の実態把握と、それに基づいた指導方針の明確化です。
例えば、既習事項との関連性を明確にし、つまずきやすいポイントを予測することで、より効果的な支援が可能になります。
また、ICTの活用や具体物の操作など、多様な指導方法を取り入れることで、児童の理解を深めることができます。
さらに、形成的評価の方法も明確に示すことで、授業改善にも活かせる指導案となります。
学習指導要領との整合性

指導案作成の際は、必ず学習指導要領の内容を確認し、目標や内容との整合性を図ることが重要です。
各学年の目標や内容の系統性を理解することで、より効果的な指導計画を立てることができます。
特に、数学的な見方・考え方を働かせる場面を意図的に設定することが求められています。
問題解決的な学習を通じて、児童が主体的に学べる展開を工夫することも大切です。
また、カリキュラム・マネジメントの視点から、他教科との関連も考慮に入れましょう。
評価規準の設定方法

算数科における評価規準は、知識・技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力・人間性等の3観点で設定します。
各観点における具体的な評価規準を、児童の実態に即して具体的に記述することが重要です。
例えば、「図形の性質を理解し、説明することができる」といった具体的な表現を用いましょう。
評価方法も、観察、ノート、テストなど、多様な手法を組み合わせることで、より正確な評価が可能になります。
さらに、児童の相互評価や自己評価の機会も設定することで、学習意欲の向上につながります。
効果的な指導過程の立て方

導入の工夫と展開の方法

効果的な導入は、児童の興味・関心を引き出し、学習意欲を高める重要な役割を果たします。
日常生活との関連を図った問題設定や、既習事項を活用した導入により、学習の必要性を実感させることができます。
また、視覚的な教材や具体物の活用は、児童の理解を促進する上で非常に効果的です。
展開部分では、個別活動とグループ活動を適切に組み合わせ、思考力や表現力を育む場面を設定します。
そして、まとめの段階で学習内容を振り返り、次時への意欲につなげることが大切です。
個別支援の計画立案

児童一人ひとりの学習状況に応じた支援計画を、指導案に明確に位置づけることが重要です。
特に、つまずきやすいポイントを予測し、それに対する具体的な支援方法を記載します。
例えば、視覚的な補助教材や、スモールステップでの指導など、個々の理解度に合わせた支援を準備します。
また、習熟度に応じた発展的な課題も用意し、より深い学びを促すことも大切です。
さらに、ICTを活用した個別学習の機会も効果的に取り入れましょう。
板書計画の作成方法
効果的な板書は、児童の思考の流れを可視化し、学習内容の定着を促進する重要な要素です。
色チョークの使い分けや図表の活用など、視覚的な工夫を取り入れることで、より分かりやすい板書になります。
特に、キーワードや重要な考え方は、枠で囲むなどして強調することが効果的です。
また、児童の発言や気づきを適切に板書に位置づけ、対話的な学びを促進することも大切です。
さらに、授業の最後に振り返りができるよう、学習の流れが分かる構造的な板書を心がけましょう。
実践的な指導案作成のポイント

単元計画の立て方

効果的な単元計画は、児童の学習段階を考慮し、系統的に学習内容を配置することが重要です。
導入から発展まで、児童の理解度に合わせて学習内容を段階的に深めていく構成を考えましょう。
また、単元全体を通して育成したい資質・能力を明確にし、各時間の目標設定に反映させます。
さらに、学習内容の定着を図るため、適切な練習問題や応用問題を計画的に配置することが大切です。
そして、単元のまとめでは、学習内容の活用場面を設定し、実生活との関連を図ることも重要です。
教材研究の進め方

充実した教材研究は、質の高い指導案作成の基盤となります。
教科書の内容を深く理解し、補助教材や参考資料を効果的に活用することで、より充実した授業が展開できます。
特に、児童のつまずきやすいポイントを予測し、それに対する支援方法を具体的に考えることが重要です。
また、他の教員との意見交換や研究授業の参観なども、教材研究を深める有効な方法です。
さらに、インターネットや専門書などを活用し、最新の指導法や教材についても研究を重ねましょう。
ICT活用の計画

現代の算数指導において、ICTの効果的な活用は不可欠な要素となっています。
タブレットやデジタル教材を活用することで、視覚的な理解を促進し、学習意欲を高めることができます。
例えば、図形の学習では動的な教材を用いることで、性質の理解を深めることができます。
また、個別学習支援ソフトを活用することで、児童の習熟度に応じた学習が可能になります。
さらに、オンラインツールを活用した協働学習も、効果的な学習方法の一つとして検討しましょう。
まとめ

算数の指導案作成は、児童の学びを支える重要な基盤となります。
基本的な要素を押さえつつ、児童の実態に合わせた工夫を取り入れることで、より効果的な指導が可能になります。
特に、評価規準の明確化や個別支援の計画、ICTの活用など、現代の教育に求められる要素を適切に盛り込むことが大切です。
本記事で紹介した内容を参考に、充実した指導案を作成し、児童の確かな学力育成につなげていきましょう。
そして、作成した指導案は常に改善を重ね、より効果的な授業づくりを目指していくことが重要です。

