指導案作成において最も重要な要素である「ねらい」の書き方について、具体的な例を交えながら詳しく解説していきます。
初めて指導案を作成する方はもちろん、経験豊富な先生方にとっても、より良い指導案作成のヒントとなる情報を提供します。
本記事では、学習指導要領に基づいた効果的なねらいの設定方法から、よくある間違いまで、幅広く解説していきます。
実践的な例文も多数掲載していますので、すぐに活用することができます。
それでは早速、詳しい内容に入っていきましょう。
〈プロフィール〉
・小学校教員、保育士、家庭教師、塾、学童など様々な学校現場を経験。
・現在はその経験を活かして教育記事を執筆中。
・ブログで月収70万以上を1年以上キープ。
現在は手堅く収入を得つつ、非常勤講師として子どもと関わっている。

指導案のねらいとは?基本的な考え方と重要性
ねらいの定義と教育的意義

指導案における「ねらい」とは、その授業や活動を通じて、子どもたちに身につけてほしい力や達成してほしい目標を具体的に示したものです。
教育活動の方向性を明確にし、評価の基準となる重要な要素となります。
「ねらい」は、単なる活動内容の説明ではなく、その活動を通じて育てたい力を具体的に示す必要があります。
子どもたちの発達段階や学習状況を考慮しながら、適切な目標を設定することが求められます。
また、保護者や他の教職員との情報共有の際にも重要な役割を果たします。
効果的なねらいの特徴

良いねらいの第一の特徴は、具体的で明確な表現を用いていることです。
抽象的な表現を避け、誰が読んでも同じ解釈ができる文章を心がけます。
第二の特徴は、観察可能で評価可能な内容であることです。
子どもたちの行動や発言として表れる、具体的な姿を想定して記述します。
第三の特徴は、発達段階に適した適切な難易度を設定していることです。
ねらいと活動内容の関係性

ねらいと活動内容は密接な関係にあり、相互に補完し合う要素として考える必要があります。
活動内容はねらいを達成するための手段であり、適切に設定する必要があります。
ねらいが明確であれば、それに基づいて効果的な活動を計画することができます。
活動内容を先に考えてからねらいを後付けするのではなく、ねらいを軸に活動を組み立てることが重要です。
この関係性を意識することで、より質の高い指導案を作成できます。
ねらいの具体的な書き方とポイント

基本的な文章構成

ねらいの文章は、「〜できる」「〜理解する」「〜に気付く」などの表現を用いて記述します。
主語は「児童が」「園児が」など、子どもたちであることを明確にします。
一つのねらいに複数の目標を含める場合は、箇条書きや番号付けを活用します。
文末は「〜する」という意志的な表現よりも、「〜できる」という達成可能な表現を使います。
文章は簡潔で分かりやすく、かつ具体的な内容を心がけます。
発達段階に応じた表現方法

年齢や学年によって、使用する動詞や表現を適切に選択します。
低年齢の場合は「親しむ」「楽しむ」「触れる」などの基礎的な表現を使います。
年齢が上がるにつれて、「考える」「工夫する」「表現する」などのより高度な表現を用います。
発達の特徴を踏まえた適切な言葉選びが重要です。
子どもたちの実態に合わせて、達成可能な表現を選択します。
評価との関連性を意識した記述

ねらいは評価の基準となるため、評価可能な形で記述することが重要です。
「〜について理解を深める」という抽象的な表現ではなく、具体的な行動や発言として表れる形で記述します。
評価の場面や方法を想定しながら、ねらいを設定します。
数値目標を含める場合は、適切な基準を設定することが大切です。
児童・生徒の多様な反応を想定した幅広い評価基準を考えます。
効果的なねらいを設定するためのテクニック

ねらいの階層化と段階的な目標設定

一つの授業や活動に対して、短期的なねらいと長期的なねらいを区別して設定します。
基礎的な知識・技能の習得から、応用・発展的な活用まで、段階的に目標を設定します。
単元全体のねらいと、各時間のねらいの関連性を明確にします。
子どもたちの学習の積み重ねを意識した目標設定を心がけます。
発展的な学習につながるような、将来を見据えたねらいも含めます。
具体的な行動目標への落とし込み

抽象的な目標を、具体的な行動レベルまで落とし込んで記述します。
「理解する」という表現を、どのような行動で示されるのか具体的に記述します。
子どもたちの具体的な姿をイメージしながら、ねらいを設定します。
評価しやすい具体的な行動表現を用いることを心がけます。
保護者にも分かりやすい表現を選択します。
SMART目標の活用

Specific(具体的)、Measurable(測定可能)、Achievable(達成可能)、Relevant(関連性)、Time-bound(期限付き)の要素を意識します。
これらの要素を意識することで、より効果的なねらいを設定できます。
特に「測定可能」と「達成可能」の視点は重要です。
子どもたちの現状と、目指すべき姿のギャップを適切に設定します。
時間的な制約も考慮に入れた現実的な目標設定を心がけます。
まとめ
指導案のねらいは、教育活動の方向性を示す重要な要素です。
具体的で評価可能な表現を用い、子どもたちの発達段階に適した目標を設定することが大切です。
活動内容との関連性を意識し、段階的な目標設定を心がけましょう。
SMART目標の考え方を活用することで、より効果的なねらいを設定できます。
継続的な改善と振り返りを通じて、よりよい指導案作成を目指していきましょう。

